日本最高の教会彫刻群
 百年の時を経てその価値を再発見!



まえがき

元町教会のこれ等の彫刻群は、北イタリアのヴァル・ガルディナ地方サン・ウルリコにあるフェルディナンド・シュトフレッサー工房で作られました。

  

教皇ベネディクト15世からプレゼントされたという事以外には、長い間詳細は分かっていませんでしたが、現在元町教会を詳細に調査して下さっている三宅理一先生が、現地を訪れ工房を探し出しました。(三宅先生についてはネットで検索下さい)
工房はまだ存続していて、三宅先生による調査を快く了解して下さいました。
外国語の古文書も読める先生は、未整理の山と積まれた書類の中からドイツ語で書かれたベルリオーズ司教あての書類を発見しました。
詳しい内容は解説の方で述べますが、それによりますと元町教会の祭壇・聖具一式は1922年に発注され、翌年完成して1923年に日本に送られた事。そして、この工房は木彫技術に優れ、「ヴァチカンを始め、ヨーロッパ各国で高く評価され、今日文化財扱いになっているものが多い」 そして金額も相当な物であったことが分かりました。
元町教会の彫刻群がただものでない事に気付いていた私は(解説参照)やはりそうかと大いに納得しました。

しかしそれと同時に痛感しました。「イタリアで作られるとすぐに日本に送られ、函館の新聖堂に据え付けられた。そしてその薄暗い高い場所では誰からもじっくりと鑑賞される事は無かったのだ。 100年もの間ひっそりと眠っていたのだ。イタリアの職人さん(芸術家達)に申し訳ない事だ。」 

では次に彫刻群を鑑賞して頂きますが、まず当教会の様子をご覧下さい。
正面奥にあるのが祭壇です。両側の壁にあるのが14の「十字架の道行き」です。
この祭壇の手前の両側に脇祭壇があります。(下の写真) これらに彫刻類が飾られています。現在はLED照明で少し明るいですが、ずっと長い間ミサの時以外はかすかな光しかありませんでした。


  
 


脚立と、ライト類の助けを借りると、あちこちに美しい意匠を発見したり、職人さんたちのこだわりを見つける事ができます。しかし、これは一般の方には無理な話です。

そこで思いついたのが、これらをネット上に載せスマホで拡大しつつ見ていただく事です。


 長くなりましたが次に本題:元町教会彫刻群の写真をご覧下さい。
 どうか像は拡大して見て下さい。彫刻の美しさ巧みさが良く分かります。
 画面を一度タップすると拡大しますので、それからピンチアウトします。
 拡大を止める時は、ブラウザの戻るを利用して下さい。
 また、衣のひだが白飛びで消えぬよう、わざと暗めに表現しています。


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T祭壇上の印象的な彫刻

 @十字架上のイエスと佇むマリア 


イエスの表情をよく見て欲しい。長い長い苦しみがやっと終わった
のだ。落ち窪んだ眼窩とやせこけた頬が今迄の苦痛を物語ってい
るが、何故か少しの安堵感も感じられる。静けさと深さがある。




マリアは泣いているの? もう涙は使い果たしたのだろうか。
下瞼を拡大して見て欲しい。泣きはらして赤く腫れているで
はありませんか。
職人さんたちはこんな見えない所にも心を尽くしていたのです。

我が子を思う母の気持ちは本当に切ないものです。
このマリア様の姿が次の名で色々な芸j術で用いられました。
 Stabat Mater Dolorosa
ラテン語で、「悲しみの聖母は立ち付くしたまいぬ」




 A大天使聖ミカエル






この天使の表情がとてもいいと思います。類型化していません。
まるで芸術家がモデルさんを前にして彫刻したかのようです。
衣の下には血が通った大腿の存在が感じられます。





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 U 十字架の道行き


 B道行きの全体像



十字架の道行きの像の全体はこのような形です。



 C 第1留 イエス死刑の宣告を受ける


こんな大きない画面に5人もの人が彫られています。
人数が多いのは言いたい事が沢山あるという事です。
奥をよく見て下さい。ピラトが手を洗っています。



 D 第3留 イエス、初めて倒れる


一番奥を歩いているのはローマ兵です。色白で鉄製の
ヘルメットをかぶっています。イエスを引っ張っているのは
ユダヤの民兵と思われます。
この画面はとても大切な事を物語っています。
何故、ローマ兵は知らんぷりしているのでしょうか?



 E 第4留 イエス、御母に出会う


ここでは吠え掛かっている犬に着目して欲しい。動的で
見事な彫であるが、なぜわざわざ手間をかけて犬を彫ろ
うとしたのだろう。これは訳も分からずに騒ぎ立てるユダヤ
人の象徴なのではないだろうか。



 F 第7留 イエス再び倒れる


男たちの服装と体格の違いに注意して欲しい。
ユダヤ教のラビと肉体労働の男達、比してイエスは
痩せ犬のようである。男たちのまなざしも何かを語
りかけているようだ。



 G 第8留 イエス、エルサレムの婦人を慰める


子供や赤ちゃんを拡大して見て欲しい。小さな存在
なのに手を抜かずきちんとリアルに表現している。



 H 第9留 イエス、三度倒れる


右端の緑の帽子の男が気になる、まなざしが気
になる。何を見ているのだろう。あらぬ方を見ているが、
こんな場面も彼にとってはルーティンに過ぎないのだろうか。


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 I 第11留 イエス、十字架に釘付けにされる


イエスの体をじっくりと見て欲しい。筋肉の付き方が実に
リアルではないか。また男たちの職業による衣や体つきの
違いにも注目して欲しい。彫刻家達は細心の注意で
掘っている。



 J 第14留 イエス、墓に葬られる


イエスの両脇を支えている赤い帽子の男が、そしてまだ
死後硬直していない柔らかそうなイエスの体が印象的だ。
使徒ヨハネは奥の方でマリアと何を話しているのだろう。
イエスを包んだ布の膝のあたりを見て欲しい。布に薄い染み
がついている。これはきっとトリノの聖骸布を意図したのだろう。
(イエスを包んだ布にイエスの姿が転写されたという布)

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 V その他の像 脇祭壇 聖台 説教台 



 K 現在の祭壇下のレリーフ 「最後の晩餐」






 L 祭壇下のレリーフ









 M 説教台のイエス






 N 説教台のマタイ 






 O 説教台のマルコ





 P 説教台のルカ





 Q 説教台のヨハネ





 Jマタイの象徴の天使



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